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2019年8月

大統領の発言から窺えるアメリカの嘘

                     八月の広島と長崎に想う

巧みと言おうか何と言おうか、トランプ相手にあらゆる手段を行使して、人民の苦衷をよそに何とか自らの世襲体制だけは維持し続けようとするキムジョンウン。その力の源泉は何と言っても、かつての広島長崎の悲劇を教訓にした上での、まだまだ完成途上とは言え核をアメリカにちらつかせ続ける事にあることは先ず間違いがない。これは、誰もが認めざるを得ない冷酷な現実であり、また一面の真実でもある。かつての日本に、核の反撃能力のないことを見越しての原爆投下に過ぎなかったくせに、もっともらしく適当な理由を見つけていとも簡単に日本に原爆を投下し何十万人もの市民を殺したアメリカ。その証拠にあのアジアの小独裁国家に対して、最大の軍事大国トランプアメリカは経済制裁をちらつかせるだけで手も足も全く出せない状況にあるのだ。そのことを思うと、広島長崎に原爆が投下される以前に、キムジョンウンの様に、なぜ嘘であっても核の保有をちらつかせるだけの、いやせめて完成途上にあるとだけでも思わせる、そういった巧みな政治手駆け引きが我が国の政治指導者にも出来なかったのだろうかと残念でならない。そう思うと、落とされる必要の全くなかった二発の原子爆弾、返す返すも悔いが残るのだ。

ところで経済制裁以外、北朝鮮に対して何も出来ずにいるくせに、広島長崎への原爆投下は絶対に正しかったと未だ言い張り続けるアメリカ。核を使用しなければ戦争は長引き、もっと多くの死者犠牲者が出たなどいうトルーマンや、その後のアメリカの主張がいかに強弁に過ぎず白々しい嘘であったかはこの一連の出来事を持ってすればすぐ分かる。それが間違っていなかった、嘘でなかったなどと言い張るのであれば、かの独裁国家に対してなぜ今すぐにでも核を撃ち込まぬ。かつての日本にしたのと同様、一般市民の犠牲など全く考慮せず有無を言わさず、北朝鮮に一発落としてみるがよい。たちまち、北朝鮮独裁国家は日本と同じ様に全面降伏をすること間違いない。それがなぜ出来ない、なぜしないのだ。

まさか今の北朝鮮独裁体制の方が、かつての日本の天皇制軍国主義よりはまだ民主的であると言うつもりなのか?いや、絶対にそれは違う。それはかつて軍国日本が核による反撃報復が出来ないことを見透かされ、さらに日本人は人間ではなく猿とみなされ、世界世論も有色人種に対して無頓着で、白人優位の観点から単に人体実験をされたに過ぎぬからなのだ。仮に当時、日本に核の反撃能力があったならば、いや単なる噂だけであっても、そして万が一それが使用されることがあったならば、一時的に戦争に敗れても日本は報復のため、未来永劫アメリカ本土に対する核報復攻撃の権利を保持し続けるだろうとの強烈な意思を見せつけていれば、アメリカによる核の使用は絶対避けられたのだ。つまりアメリカは、つまらぬ言い訳をしているけれど、単純に日本に核の反撃が出来ないことを見越しての安直な核使用であった訳だ。そのことは米朝の今の力の均衡を見てみればすぐにわかる事ではないか。アメリカ本土に届くか届かぬかもわからぬ、この世界の最貧国北朝鮮の貧弱な核ミサイルの存在にさえ怯えて、経済制裁以外アメリカは何も出来ぬのだ。

嘘か誠か、当時カリフォルニア沖か、フロリダ半島近辺に核を積んだイ号だかロ号だかは分らぬが、日本の潜水艦が何隻も潜んでいるという偽情報を流し続けていれば、実際、広島長崎の悲劇惨劇は防げたのかもしれないのだから。いや絶対に防げていたのだ。凡庸な天皇制君主と、その後に及んで、未だソ連に講和の仲介を期待していた間抜けな田吾作政治軍事指導者どもを抱えた日本の悲劇でもあった。衷心から平和を希求する被爆者の心情を考えれば、この様な不謹慎な発言には非常なためらいを感じ、どうしようもないジレンマに陥り複雑な心境にもなるけれど、しかしこれが世界政治の残酷な現実なのだ。核を前にして、悔しいけれどこの世に神も仏も存在などしないのだ。

 

 

 

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